地域おこし協力隊

移住で地域おこし協力隊を選択するメリット4選とその理由!【元市役所担当者の考察】

この記事で分かること

・地域おこし協力隊として移住するメリット

人間が生きていくために最低限必要なものは衣食住だと言われています。

衣(着るもの)
食(仕事、働いて収入を得ること)
住(住むところ)

ですね。

移住を本格的に検討し始めた場合にまず考えることは、「食(働くこと)」と「住(住むところ)」ではないでしょうか。

この点において、住(住むところ)と食(仕事)が一度に得られる地域おこし協力隊は、移住をする方法としては非常に魅力的です。

そこで、市役所の地域振興担当部署で地域おこし協力隊を担当していた元担当者の視点から、地域おこし協力隊になるメリットを考えてみたいと思います。

メリット① 当面の仕事(収入)が確保されている

地域おこし協力隊を募集する地方自治体は、協力隊員に対して少なくとも何かしらの役割を期待していますので、移住する地域において業務(ミッション)が用意されています。

地方自治体が提示する業務内容(ミッション)が自分のやりたい事にハマれば、収入を得ながら自分がやりたい事が出来て、さらに知識やスキルを身につけることができます。

例えば、農業や林業をやりたいと思っている場合は、移住当初は地域おこし協力隊として当面の収入を得ながら農林業に関する知識やスキルを学んでいき、任期終了後に起業支援補助金を活用して独立するなんてことも可能です。

さらに、業務内容(ミッション)によっては、そもそもその地域で何かしら起業すること自体が目的となっており、その準備期間として地域おこし協力隊の活動が位置づけられている場合もあります。

その様な業務内容(ミッション)の地域おこし協力隊を選択すれば、任期終了後のことも合わせて考えることができます。

ですので、応募する際には各地方自治体が出している募集要項の業務内容(ミッション)をしっかり確認しておきましょう!

もし募集要項に書かれている内容で分かりにくい部分があれば、事前に問い合わせたり、面接時に質問するなりして、明確にしておいた方が良いでしょう。

メリット② 住居が確保されている

知らない土地に移住する場合、土地勘がないため、一番最初に苦労するのが住居を確保することではないでしょうか。

田舎であっても、住居がJR駅近くであればまだ何とかなると思いますが、それが山間部の集落となるとそう簡単にはいきません。昔住んでいた地元とかであれば話は別ですが・・・。

地域おこし協力隊では、協力隊員の住む住居は地方自治体が用意してくれます。

ただ、地方自治体によって事情は様々ですので、その対応も様々です。同じ地方自治体に採用された協力隊員であっても、活動地域によって事情が異なるため、その住居を確保する方法も違ったりします。

活動地域と居住する地域は当然同じであるべきと考える地方自治体もあれば、離れた場所の方が逆に良いと考えている地方自治体もあります。

地域の消防団活動に参加してもらうことが活動内容に盛り込まれているなど、協力隊員の活動内容や求められている役割によっても事情が変わってきます。

さらに、単身者なのか家族での移住となるのかによっても変わってきます。

そのため、地域おこし協力隊の住居については「こうです!」と一概に言い切れないのですが、参考までに、私が担当していた時に他の自治体担当者等に聞いた内容も含めて、協力隊員の住居はどうだったのかを紹介したいと思います。

1.地方自治体が空き家を借り上げる。(このケースが多いです。)
2.地方自治体が空き家確保し、協力隊員と持ち主で契約をしてもらい、住宅手当として家賃の一部または全額を支給。
3.市町村営住宅に入居。
4.自分で賃貸アパート等を借りてもらい、住宅手当として家賃の一部または全額を支給。
5.地方自治体が直接賃貸アパートを借り上げる。

そもそも賃貸アパート等がない地域に住んで、活動拠点としてもらうということを想定している場合が多いですので、空き家を地方自治体が借り上げてそこに居住してもらうケースが多いと思われます。

SATO
SATO
私が担当していた時は、山間部集落での地域活動に従事する協力隊員は、活動地域内で空き家を探して市役所が直接借り上げていました。また、市の観光PR業務に従事する隊員は、街中に自分で賃貸アパートを借りてもらい、上限金額を設定して住宅手当の形で支給していました。

メリット③ 地方自治体のフォロー付きで移住をスタートできる

市町村役場の担当者がフォローします

地方自治体の力の入れ具合や受け入れ態勢の状態によりますが、少なくとも地方自治体の非常勤職員(会計年度任用職員)または地方自治体が採用した人物として活動していくわけですから、必ず地域おこし協力隊を管轄する部署があり事務処理を行う担当者がいます。

活動費の管理や支出を行ったり、社会保険関係の手続きをしたり、地元住民と調整をしたり、採用業務をしたり、協力隊員全般にかかる事務を行う必要があるからです。

そこで、協力隊員は着任当初の地域情報の情報源として自治体担当者を活用することが出来ます。

地域の情報や決まり事、タブーとされていることなどをひと通り教えてもらうことが出来ます。

移住直後から地域内に面識がある人、味方になってくれる人がいるということです。

ただ正直なところを言いますと、どこまで親身になってくれるかは担当者次第といったところです。

担当者やその上司が異動したことにより、今まであった支援が無くなったり、逆に生じたりすることもあります。また、親身になってくれた担当者がいなくなり、後任者はドライだったり、またその逆もあります。

地方自治体といえども、いち組織であることに変わりはありませんので、残念ですが、これは運の要素もあります。

SATO
SATO
実は一人の協力隊員の活動を支えるために必要となる事務処理がたくさんあります。

地域に面倒見役の人がいる

地方自治体が受け入れる地元地域や団体の人に面倒見役(自治会長、地元の有力者、ただ世話焼きの人、先輩移住者、定住した協力隊員OB・OG、受け入れ団体の職員など)をお願いしていることが多いです。

「お願いしていることが多い」と表現したのは、どのような体制で協力隊員を受け入れるかはその地方自治体や担当部署の方針(主に地域振興部署の課長など)によってそのスタンスは様々だからです。

過去に、この調整がうまくいっていなかった自治体が、ネット上でボロカス叩かれたりしていますが、まともなところはまともですし、叩かれた自治体もそれを活かして改善している可能性もあります。

SATO
SATO
私の経験談ですが、地域おこし協力隊の担当者として業務は、この地元住民と協力隊員との調整がメインであると言っても過言ではありません。そしてひたすら両者の板挟みに遭います・・・。
やっていて非常につらい立場に立たされることもありますが、実は協力隊員の活動がうまくいくかどうか、その後定住してくれるかどうかはこの調整業務にかかっていると私は思っています。

メリット④ 卒業後に起業支援補助金を活用して起業できる

地域おこし協力隊には任期終了後の定住に向けた支援として、起業支援補助金の制度(多くの場合「地域おこし協力隊起業支援補助金」と呼ばれいます。)が設けられています。

と言っても国が制度を設けることを地方自治体に推奨しているだけであって、この制度を設けるかどうかは各地方自治体の判断に委ねられているので、必ずあるというわけではありません。

この地域おこし協力隊起業支援補助金は、地方自治体であらかじめ予算を用意しておく必要があるため、卒業間際になっていきなり「起業支援補助金制度を使いたい!」または「作って欲しい!」と言ってもすぐに設けることができません。

そのため、地域おこし協力隊起業支援補助金の制度を整備しているか否かは、地域おこし協力隊になる前に確認しておいた方がいいと思います。

SATO
SATO
私の知る限りでは、地域おこし協力隊がいるだいたいの地方自治体は整備してたと思います。
ただ、地域おこし協力隊を採用して時間が経っていない場合やまだ卒業生がいない場合は、整備がされていない可能性が高いです。その場合は将来的に整備してもらえるかどうか確認が必要です。

まとめ

ありきたりであったかもしれませんが、元自治体担当者として以上が移住をする際に地域おこし協力隊を選択するメリットだと考えています。

最終的には、メリットと言えるかどうかは人それぞれ置かれた状況や考え方にもよりますが、当面の仕事(収入)が確保されているということが移住をする上で一番大きなメリットだと言えます。

逆に言うと、仕事(収入)及び住居が自力で確保できる場合は、地域おこし協力隊という選択をしなくても田舎に移住することはそんなに難しいことではないのではないでしょうか。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。